ロゴ新日本婦人の会 釧路支部

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食の安全を考える
新婦人は、産直運動に長い間取り組み、農民連と4つの共同目標を掲げて活動を広げています。
新婦人は、食の安全・安心に重きを置き、日本の農業を守っている生産者の方々を応援しています。過去の記事は→こちら

新婦人と農民連の産直運動 〜4つの共同目標〜(2022年5月27日改定)

  1. 新婦人と農民連(以下私たち)は、安全で新鮮でおいしい国産の農畜水産物を作って食べて、日本の食糧自給率を向上させ、自らと家族の健康を守り、食文化を次世代へ継承します。
  2. 私たちは、お互いの顔と暮らしが見える交流を活発にして、持続可能な地域社会と農業の担い手づくりをめざします。
  3. 私たちは、気候危機の打開、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に大きな役割を果たす家族農業が大切にされる社会への転換を求め、アグロエコロジー、食料主権の確立をめざします。
  4. 私たちは、お互いの組織の発展に貢献する産直運動をめざし、定期的な協議をおこない、課題を共有して改善に努めます。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2024年3月号より抜粋

雪融け 進む

先月後半の気温上昇で雪解けが進んだものの、2月末から3月上旬の寒気の流入で、 冬に逆戻り。でしたが、平年並みの気温に戻り、再び、雪融けが進んでいます。

これからの農業=国民の食料生産どうなる

2月16日の旭川から始まった今年の「春の学習交流会」。
世界中で多発する大雨、干ばつ、紛争の勃発、長く続く円安、労働力不足、流通コスト の上昇、その結果、この間の食料の一斉値上がリ。その一方で、食料自給率の低迷、農家戸数はこの20年で6割減少した事にみられるように国内農業基盤そのものの減退。この様な中で今国会に提出された「食糧農業農村基本法改正案」がこの現状を打開する方策になっていないことが明らかに。このような事が話題になっています。

農業基本法改定案を斬る
(「しんぶん 農民」より抜粋して掲載)

政府が国会に提出する食料・農業・農村基本法の改正案が明らかになりました。岸田首相が施政方針で「農政を抜本的に見直す」と表明した通り、現行基本法を事実上廃止して、国民が望む食料自給率の向上を切り捨て、アグリビジネス推進のための新法に置き換える内容です。

(1)食料自給率向上の放棄

政府の基本法改定の最大のねらいは、政府の責任で食料自給率を向上させるという概念を消し去ることです。
現行法が制定された23年前は、WTO(世界貿易機関)協定の強行や米の完全自由化反対、国内農業を守れの大きな世論が盛り上がり、そのたたかいが国会論戦に反映し「食料自給率の目標」を基本計画に定め、さらに「自給率目標の向上を図ること」が条文に追加されました。
改定案では、食料自給率目標を食料安保目標に変質させ、自給率向上の放棄・骨抜きをねらっています。

(2)さらに、輸入を拡大、相手国の農業輸出を支援

現行法は、「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて」としながら、国内農産物の増産をさぼり輸入拡大を続けてきました。
改定案は「輸入」を「安定的な輸入」に変更し、新設21条では輸入をさらに増やすため、輸入相手国への投資を促進し、輸出を支援することまで明記しました。さらに24条では有事の輸入拡大を宣言 ー こんな戦略で未来の農と食の展望が切り開かれるのでしょうか。

(3)日本農業の生き残りは輸出で稼げ

改定案は基本理念で、「国民に対する食料の安定的な供給に当たっては、国内への食糧の供給に加え、海外への輸出を図ることで、農業及び食品産業の発展を通じた食料の供給能力の維持が図られなければならない」とし、新設22条で農産物の輸出の促進に血道をあげることを表明。 財政制度審議会は2022年11月、「農林水産業の国際競争力を強化し、輸出拡大を図ることは、『稼ぐ農業』の実現につながるとともに、食料の安定供給の確保にも資する」と宣言。
いざという時は、輸出農産物を食べればいいという考えです。

(4)農家の姿がないロボット農業

今後20年間で、農業の担い手は約4分の1(120万人→30万人)に減少し、食料の安定供給を確保できないと言いながら、これには全く危機感なし。
代わりにロボットやドローン、AI(人工知能)を使って「生産性」を上げる「スマート農業」(ロボット農業)で解決できるとして、改定案では新たな条項を3条も追加し(30条=先端的技術の活用による生産性向上、20条、29条)、まるで「魔法のつえ」のように持ち上げています。
さらに、6条にわたって「みどりの食料システム戦略」推進を事細かに盛り込んでいます。ゲノム編集技術やRNA農薬など有機農業の本質を損ない、多国籍企業とその先端技術で食料を確保しようというのです。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2024年2月号より抜粋

有事対応より自給率向上こそ急務

改正案で農家に生産を指示できるしくみに疑問!

「農政の憲法」とも呼ばれる「食料・農業・農村基本法案」改正案が関連法案も含め、今月下旬にも国会に提案され審議入りするとされています。

改正案では、「国民一人一人が食料にアクセスできる」という食料安全保障の理念が強調される一方で、農水省の有識者会議は基本法改正に関連し、不測の事態発生時には政府対策本部を設置し、食料確保について「私権制限を伴う措置を含めて実施する必要がある」として、農家にたいし高カロリー作物(ジャガイモ、サツマイモなど)の生産を指示できるしくみの構築を提案しました。

「有事」の際、作物の生産に不可欠な種子や肥料、更には農業機械を動かす燃料の輸入が止まれば農業生産自体が難しくなる懸念もあり実現性に疑問符が付きます。

海外依存度実質的に10%未満、有事の前に自給率向上を!

そもそも、日本の食料自給率は2010年以降30%台にとどまっています。飼料や肥料などの海外依存度を計算すると実質的には10%未満との試算すらあります。有事対応を議論する前に平時の自給さえおぼつかない状況です。

しかし、農水省や官邸本部の基本法改正をめぐる議論は、肥料やエネルギ一の供給状況が反映されないなどとして自給率の向上を主要目標としていません。

東大大学院の鈴木宣弘教授は「食料安全保障を強化したいのなら有事対応を考える前に、平時からの備えとしても自給率向上を急ぐべきだ」と苦言を呈しています。その通リだと思います。

ゲノム編集作物、世界で実用化進む〜EU規制緩和か〜

日本では世界に先駆けてトマトが実用化!

ゲノム編集作物が世界で続々と実用化され始めた。日本では機能性を高めたトマトが世界に先駆けて実用化され、海外でも日持ちのよい作物などが登場している。

遺伝子組み換え(GM)作物とは異なる規制

日本や米国などは遺伝子組み換え(GM)作物とは異なる規制を敷くが、欧州連合(EU)ではGM作物と同じ規制をするなど、対応は分かれる。EUは規制見直しも進めており、その動向が国際的な議論に影響を与える可能性も指摘される。

日本政府はGM作物について、生物多様性に関する国際条約に基づく法律、カルタへナ法で一般栽培を厳しく制限している。外部から遺伝子を組み込んだGM作物が、野生種と交雑するなどして生態系に影響を与える恐れがあるためだ。

一方、ゲノム編集作物では、外部から遺伝子を組み込まず、遺伝子の改変度合いが自然界で起きる突然変異と同程度の場合であれば、同法の規制対象外となる。

日本では2021年、機能性成分のガンマアミノ酪酸(GABA=ギャバ)の含有量を高めたトマトの流通が始まった。ゲノム編集作物の一般栽培は世界初。種苗を販売するサナテックシード( 東京都港区) によると、家庭菜園で作られる他、約40aでほぼ周年で契約栽培もされているという。

表示義務はないが、 「ゲノム編集で品種改良」と示したラベルを付ける

販売時には、表示義務はないが、消費者に納得して買ってもらうため「ゲノム編集で品種改良」と示したラベルを付ける。 海外でも米国を中心に実用化が進む。褐変しないようにして日持ち性を高めたレタス、オレイン酸含量を高めた大豆などが、既に商業栽培されている。

非GM扱いは日本や米国、インド

各国の対応は、日本のように非GMとして扱う場合と、GM と同様に規制する場合に大別される。非GM扱いは日本や米国. 、インドなど。

日本は国への届 け出や事前相談が必要。目的の遺伝子以外に改変がないか、他の生物に影響を与えないかなどを国が確認した上で、一般栽培できるようになる。

米国も、自然界で起きる突然変異と同程度の改変度合いであれば非GM扱い。国への届け出や事前相談は開発者の任意だ。

EU、非GM扱いとする新たな規制案を検討中

EUは当初、GMと同様に規制対象にすベ きだとする欧法司法裁判所の判断に従っていたが、現在、遺伝子の改変度合いによっては非GM扱いとする新たな規制案を検討中だ。

EUの方向性、国際的な議論にも波及する可能性が・・・

ゲノム編集に詳しい国内の研究者からは「EUの規制がどうまとまるかは、ゲノム編 集に懸念を持つ消費者団体の反応に影響を与え、国際的な議論にも波及する可能性がある」との指摘が出ている。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2024年1月号より抜粋

日本にある活断層は2000!地震に無縁の地域はどこにもないなかで原発は絶対必要ないです!

迎春

世界に目を向ければ、一昨年のロシアによるウクライナ侵攻、昨年10月には、イスラエルとハマスによる戦闘と、戦争による犠牲はとまらず、今も多数の人命が重大な危機にさらされています。

国内では、物価高騰による庶民の生活苦を尻目に政権党の各派閥による違法な裏金づくりが暴露され、国民の怒りが沸騰寸前です。

そんななか、年明け早々衝撃的な出来事が連続しました。元日の夕方には最大震度7を記録した能登半島地震、2日の夜には、羽田空港で、日航機と海保機が衝突し、炎上しました。海保機は能登地震の被災地支援に出発するところだったといいます。「こんな新年の始まりがあっていいのだろうか」(1/3道新コラム引用)と思いました。

厳寒期で冷え込みがきびしいなかでの避難生活、今なお、がれきの下敷きになっている人や安否のわからない人も少なくありません。頻発する余震のなか懸命な救助、救援活動がつづけられていますが、一人でも多くの命が助かるよう祈るしかありません。

今は、運転停止中ですが、震源のすぐ近くには、北陸電力志賀原発(石川県)や東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)などがあります。これらの原発がもし動いていたとしたらと思うとぞっとします。

日本には活断層が判明しているだけでも2000あるといわれています。地震に無縁な地域はどこにもありません。地震・津波が多発する国で原発依存政策を続ける危険を改めて示しています。

被災者の支援、被災地の復旧、再生に全力を挙げることはもちろんですが、地震・津波につよい国土づくりを進めることが政治の役割です。

生産者だけの努力では限界のところまできています!

今年も宜しくお願い致します!
能登半島地震 お見舞い申し上げます

年末の大雪もようやく落ち着き、穏やかな年明けを迎えました。
この時期、組合員は昨年の営農のまとめ、分析、税申告の準備、今年の営農計画などデスクワーク中心です。

昨年、世界的な原材料の値上がりと円安により7〜8割の値上がりをした肥料の今年の価格は、少し値下がりしたものの値上がり前の一昨年に比べ3〜4割高い状態、その他の農薬、ビニール、燃料などの生産資材も1〜2割上昇しています。

一方、米の昨年の生産者売り渡し価格(農協概算金)は、生産者の主食用米の生産抑制により在庫が減少した事と、全国的な高温などにより品質が低下し1等米の出回り量が減少した事などにより2000円前後(60kgあたり)上がりましたが、この間のコストの上昇には追い付かず、採算の取れる状況ではありません。厳しい経営環境が続いています。

このような状況から、萌えぎ里米の価格の改定を検討せざるを得なくなっています。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年12月号より抜粋

2023年、いろいろなことがありました。列挙されたことがらをみると驚きです。

2023年もあとわずか!

夏の猛暑は世界中で「地球沸騰」。
ウクライナの戦果は今年も収まらず、新たに中東でも戦火が。多くの命が奪わ れている。幼子も。

昨年から続く食品をはじめとした物の値上がり。生産資材も「上昇」は収まりつつ あるが、「高値安定」。

「マイナカード」の押し付け、健康保険証は廃止に・・・ポイントで釣って普及を 図るも相次ぐミスの発覚。自治体職員は再点検に追われ、カード導入が行政効率アップに逆行。

軍拡予算の強行決定。沖縄の新基地建設は軟弱地盤を無視して継続、オス プレーの大事故でもアメリカ追随の日本政府。

福島原発の「処理水」は地元の合意ないまま海洋放出を強行。

挙げればきりがないが、年末に来て、政権与党の腐敗ぶりが露呈している。政治資金の裏金はどのように使われたのか。国民から集めた税金が元の国家予算 を「人質」に利益誘導をする政治をやめさせる事が必要。

COP28は温室効果ガス削減を再度確認したが、日本の石炭火力への固執ぶ りが世界中の批判を浴びた。「地球沸騰」が国民も世界中の人々も、その命の問題になっているのに。

新年がこれらを大きく転換する年にしなければ。

政府の方針には食料供給について「国内の農業生産の増大を図ることを基本」とすると定めています!

自給率目標を実効あるものにすること!

政府の農業政策の基本方針を定める「食料・農業・農村基本法」の改正に向けた議論が、昨年秋から政府内で進められています。来年の通常国会には改正案が提出されます。

「基本法」見直しの契機は、食料危機への懸念です。ロシアのウクライナ侵略による国際的な物流の停滞は、日本の食料供給がいかにもろいかをはっきりと示しました。

世界の人口増と気候変動による食料生産の不安定化、穀類を原料としたバイオエネルギー需要の増大、中国と米国の食料輸入国化、国際的食料市場の政治的分断、日本の経済力の相対的低下など、食料を輸入頼みにするリスクは挙げたらきりがありません。

一方、国内農業の生産基盤は崩壊寸前です。食科自給率は38%に低迷し、2010年に205万人だった基幹的農業従事者は12年で4割に当たる82・5万人が離農。 農地は東京都の面積を大きく超える26.8万haが失われました。

改正に向けて政府内に設けられた「検証部会」には、肥料・飼料の高騰や販売価格下落に苦しむ農業関係者から切実な現状が寄せられました。しかし、なぜそんな事態に陥ったのか、政策上の原因が「検証」されることはありませんでした。その結果、「検証部会」の「最終とりまとめ」も、「基本法」改正に向けた政府の方針(食料・農業・農村政策の新たな展開方向)にも、農政の問題点を改める姿勢は全く見られませんでした。

現行基本法は、食料供給について「国内の農業生産の増大を図ることを基本」とすると定め「食料・農業・農村基本計画」に食料自給率を掲げるとしています。 しかし、この目標はこれまで一度も達成されたことはありません。現在の自給率目標は45%(30年度まで)ですが、達成の見通しはありません。

自公政権にとって米以外の主要な食料(小麦・大豆・トウモロコシ)の輸入依存は、それらを戦略的な作物として位置付ける米国の意向に従ったものです。

「検証部会」の「最終とりまとめ」は、それを改めるどころか「目給率目標は、国内生産と望ましい消費の姿に関する目標のーつ」に格下げすると答申しました。これを受けた政府の「展開方向」には「自給率」の言葉が全く見当たりません。

必要なのは、自給率目標を投げ捨てるのではな<、目標を実効あるものにする改正です。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年月11号より抜粋

ことしも あとひと月余り。

振り返れば、食と農に係わってはまず猛暑による作物被害。米の作況が北空知「103」と言ってもその実感はなし。秋野菜をはじめとして多くの野菜も収量減、品質低下。今も高値が続く。
輸入農産物とそれを原料とした食品の値上がりも昨年から続いた。ロシアのウクライナ侵攻の影響もあったが、特にここ数年、世界的に広がる幹ばつ、熱波と豪雨災害。イタリヤ、スペイン、ギリシャなどでは7月中旬、連日の40℃越え、カナダでは5月以降連続的に山火事が発生、韓国などでは豪雨。地球温暖化は「地球沸騰」とまで言われるようになり、この影響も大きい。

農業就業者389万人から168万人に!

今、農水省では、「農業農村基本法」の改訂が議論されている。戦後の農産物輸入拡大路線や米については食糧管理法を廃止し、生産者団体と卸の相対取引中心にするなど、農産物の価格、需給を市場任せにする政策を推し進めた結果、農業就業者は2000年の389万人から2019年には168万人におよそ6割減、その7割が65歳以上。

国内農業生産そのものが危うい状態

食料自給率は40%以下に定着。それにこの猛暑と豪雨災害。国内農業生産そのものが危うい状態にある。「世界中どこからでも安く食料を買うことができる」時代ではない今(そういった30数年前も実はそうではなかったのだが)、これまでの政策についての反省なしに新しい「基本法」を策定しても今までの延長でしかなく、国民の願いからはかけ離れたものにしかならない。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年月10号より抜粋

理不尽なことに対して、消費者からお怒りの記事が掲載されていましたので紹介します。

減反に協力したのに交付金がもらえないなんて!

北空知のお米をとってくださっている全道のみなさん、今年もおいしい新米を食べられる幸せを、地元としても共有しています。

米所の新潟で、米が茶色く枯れ、田んぼもダムもひび割れているテレビを見て、とてもびっくりしました。ダムの水位が低くなっても、田んぼをひび割れさせる状態になるとは思っていませんでした。地球温暖化の問題を個人としても、何ができるかを含め、真剣に考えなければと思います。

また、「水田活用交付金」のことです。減反で一度畑にしたものを田んぼに直すのは、並みの費用と努力でできるものではありません。減反に協力したのに、水田に直さなければ「水田交付金」が支給されない、というのは理不尽です。

高齢化による離農に拍車がかかりそうです。 机上の農業政策に激しい怒りを覚えます。食料自給率37%ですよ。北空知の水田をひび割れさせてはなりません。2024年は、みなさんにお会いできますように。お元気でいらしてください。

深川の方 2023.10.16

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年9月号より抜粋

天候により収量に差!〜全国の作況指数がわかる9月が今後の焦点

       

作付面積と作柄が平年並みで、需要の目安となる民間在庫量が適正水準でなければ主食用米は不足となるので天候による作柄と作付面積のバランスは重要なカギとなります。

作況34都道府県「平年並み」、「やや良」は5道県

農水省は31日、2023年産水稲の8月15 日現在の作柄概況を発表した。34都府県が作況指数で99〜101に 当たる「平年並み」だった。 102〜105の「やや良」は北海道や福島など5道県、 95〜98の「やや不良」は 広島や山口など7県。 東日本の主産地はおおむね平年以上の作柄となった。

田植え終期に達していない沖縄県の第2期稲を除く46都道府県の作柄を、気象データなどを基に予測した。 今後の気象によって変動する可能性がある。 同省によると、23年産の主食用米の作付面積は、栃木と福島の2 県を除く45都道府県が前年並みか減らす意向(6月末時点)。

仮に全国の作付面積が前年並みで、作柄が平年作なら、23年産米の需給の目安となる24 年6月末の民間在庫量は適正水準とされる1 80万トンに近づく見通し。全国の作況指数が分かる次回(9月25日 現在)の結果が今後の焦点となる。

8月15日時点の作柄は、東日本の主産県を中心に天候に恵まれた 一方、中国・九州地方で6月の大雨や日照不足、8月上旬の台風6 号による影響が見込まれた。 高温や渇水による影響について、同省は「収量の予測には反映しているが、品質への影響は分からない」 (生産流通消費統計課) としている。

西南暖地の早期栽培米などの作況指数も示した。宮崎、鹿児島の両県が102、高知県が101となる一方、徳島県は97、沖縄県は98と、やや不良だった。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年8月号より抜粋

異常気象、ただ事ではない状況!

今年は日本でも全国の平均気温が観測史上最高を記録しています。一方、西日本は線状降水帯の発生で記録的豪雨が続きました。農業にも深刻な影響を与えています。

暑!

毎日暑い日が続いています。ことしは道内各地で、一日の最高気温の記録を更新また、前線の影響で豪雨も多発。 世界的にも、北米や地中海沿岸諸国、中国などで異常な熱波が発生、一方で豪雨も各地で多発、干ばつと豪雨が世界の食料生産に深刻な影響を与えています。 米の輸出国であるタイやベトナムで干ばつのため米の生産が減少する中、米の最大輸出国であるインドが7月下旬、長粒種の白米の輸出禁止を発表。 その後のタイのコメ取引市場で指標価格が一挙に 7% (前年比14%) 上昇したということです。

食料自給率 38% (カロリーベース)

※食料は人間が生きていくために欠かすことのできないものです。この食料安全保障の観点から、最も基礎的な栄養価である熱量(カロリー)に着目したものが「カロリーベースの食料自給率」です。

今月発表された日本の2022年の食料自給率はカロリー換算ではほぼ横ばいの37.64%(対前年比-0.37ゼント)、一部で国産の使用が進んでいるものの大きくは変わっていないという事です。その一方で生産額では58%と前年対比5%以上の落ち込み。食料の国際価格が総体的に上昇する一方で国内生産物の価格の上げ幅が小さかったことを示しています。

世界的に食料生産が不安定になっている中、国内の農業生産を抜本的に引き上げなければならない時に、農業予算はこの10年横ばいの一方で本年度の防衛予算は農業予算の3倍に(この40年間に農業予算は3割以上減、防衛予算は3倍)。

マイナンバーカードのトラブル続出でも健康保険証の来年秋の廃止方針を変えず、福祉、暮らし関連予算は抑制、削減、「核抑止論」に固執、敵基地攻撃、武器輸出の推進、軍事予算拡大、そして憲法9条改悪を進める岸田政権。こんな政治を変えなければなりません。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年7月号より抜粋

コロコロ変わる施策に不安と困惑が!

今回のお便りには、畑地化促進事業について書いてありました。土づくりの苦労を知らない措置に只々驚くばかりです。
※湛水(たんすい)とは、水田に水を張って、ため続けること。主に、稲作に関連して使われます。

畑地化促進事業〜現場に不安と困惑〜

農水省は昨年、米以外の作物を生産(転作)した水田に交付する水田活用交付金について、交付要件を見直し、最低5年に一度「米の作付、あるいは湛水する事」としました。

しかし、転作でつくる畑作物の生産性を上げるため、粘土質の水田では長年かけてたい肥の投入や土層改良をしたり、効率的に作業ができるようにと改善を図ってきた農民からは 多くの疑問の声が上がっていました。

「高収益作物」への転換も奨励され、ビニールハウスの建っている水田もあるのです。

今年に入り、農水省は米の需給調整に関連する政策を相次いで見直し、その中「畑地化促進事業」を目玉として、272億円の予算を計上しました。

水田から「畑地」に転換(水田活用交付金を受けない)し、野菜や果樹などの高収益作物を作付けすれば10a当たり17.5万円、麦や大豆などの一般作物には同14万円、 それに転換後5年間10a当たり2万円を助成するというものです。

当初から予想されていた事ですが、交付申請が大幅に予算を超過し、農水省は作付け作物、面積によって優先順位を付ける事としました。その結果、農水省から発表は ありませんが、報道によれば北海道だけでも2.8万haの申請が上がっていたのに対し、事業の採択予定面積は全国で1万haという事です。

北海道では大半が不採択となっているようです。 わが町幌加内町でも、40戸の農家が300ha弱の申請をしましたが全員不採択となりました。

「畑地化促進事業」は時限的措置で、来年以降は何の約束もありません。営農継続の為、 少しでも有利な条件でと選択した「畑地化」ですが、現場では「今後の営農方針が定まらない」など新たな不安と困惑が広がっています。一年毎にコロコロ変わる施策ではなく、恒常的な支援策を講じるべきです。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年6月号より抜粋

北空知農民組合と新婦人の繋がりが記載されていましたので、紹介します!生産者を守る産直運動に新婦人が大きく関わっていたことがわかります。

「食ふれai」NO.400号通過に寄せて

        

農産物の自由化・農業破壊の悪政とたたかうなかで、同志が集い、1991年1月27日『北空知農民組合』を結成し、3月19日には記念すべき通信誌として 『食ふれai』NO1号が発行された。

まっ先に「産直をしよう」と声をかけて下さった深川・留萌・妹背牛の消費者と会合を重ね、10月から4月までの7ヶ月で合意。NO2号では、上川・紋別の消費者も 取り組むと報じている。

『この見本のコメを買って食べてみて、ぜひ産直をしよう』と道内を駆け廻 った事など、なつかしく思い出します。

春は、産直学習交流会、合宿して資料を作り、各地を訪問、女性部も夫たちと 一緒に出かけ、帰りには神田日勝美術館等にも立ち寄ったり、楽しい ひとときも味わった。

夏は 消費者を迎えての産直現地見学ツアーだ。大きな横断幕などを前もって 準備して待つ。毎回貸切バスを連ね、土産話、出し物を沢山持って。 何回目だったか・・・・大雨でその朝になって急きょ産直センターへ会場変更したり。 又、前日から、〇〇さんと我家に数名ずつホームステイして、当日合流した。

秋は 丹精込めて栽培した産直米生産者のそれぞれの思いを綴ったメッセージを米袋 に入れ、消費者の皆様へとどけるうれしい初荷出発です。 いつだったか…?日勝峠だったか…?我センターのベテランが運転する配送車に、〇〇さんと私も同乗した折、急な峠の下り雪道での”ヒヤリ ”。 そんな危険も伴なう配送係さんには感謝です。

資金を借りて建設した集出荷施設、低温化、精米、色選機導入も産直の前進に大きく貢献したものと思っています。
その時々のさまざまな事柄を載せる『食のふれai』は農民組合と消費者の大切な大事な掛け橋です。
1991年から2023年、32年間を経て 400号が通過しました。これからも長い長い道程を楽しんであゆみ続けて下さいよ!『食ふれai』さん!

2023年6月 初代 産直センター長

食料自給率を国民の目から見えなくさせ、低自給率から国民の目をそむけさせる詐欺的手法についての記事です。とても興味深かったので掲載します。ぜひ、読んでください。

これでは食料自給率向上も危機打開もできない
農政審基準法検証部会の「中間とりまとめ」について
農民運動全国連合会会長 長谷川敏郎(”農民”2023/5/29付け)


(1)これでは直面する危機は打開できない
食料・農業・農村政策審議会基本法検証部会の「中間とりまとめ」が5月26日に示された。「中間とりまとめ」は、今年2月以降、 検証部会に農水省が提出していた基本理念や各分野の施策の方向についての提案を統合したものにすぎない。今日の食料・農業危機を招いた政策のまともな検証も、 今後20年間の農業政策の哲学の検討もなく、新農業基本法検討への中間報告の名には値しない。 報告では、現行基本法の考え方、情勢の変化、今後20年の課題が、 政策項目ごとにくどくどと述べられている。検証部会で出された意見を踏まえたというものの、農水省提案の枠組みからはずれた意見はことごとく無視され、輸入総自由化からの脱却、 自給率向上、価格保障など、危機打開のための切実な課題を棚上げしている。これで、直面する危機を打開できるはずはない。

(2)農政の転換どころか、旧態依然の政策に逆戻り
「危機の根源に迫る検証を避け、農政の転換を求める国民の要求を退けて、官邸農政・現行基本法の政策を踏襲するための時間稼ぎをしているのか」 という疑念を持って検証部会の過程をみてきたが、「中間とりまとめ」は次のように旧態依然の政策に逆戻りのオンパレードである。
◆生産性の高い農業経営の育成・確保
◆価格保障拒否、市場原理主義の継続
◆輸入の安定確保や備蓄の有効活用
◆農業の輸出産業化
◆デジタル・バイオテクノロジーによる生産性の向上

(3)「自給率向上目標」を消し去るのか
最大の焦点は増産による食料自給率向上と食料の安定供給を国民の権利として実現することであった。ところが「中間とりまとめ」は、
◆食料輸入リスクの増大
◆肥料など生産資材の安定供給
◆農業の輸出産業への転換
などの「情勢の変化」をあげ、新基本法において自給率指標を格下げし、それ以外の指標を掲げるべきだとしている。
しかし、「情勢の変化」と、食料自給率が指標として不適切だということには何の関係もない。これは食料自給率を国民の目から見えなくさせ、低自給率から国民の目をそむけさせる 詐欺的手法である。 現行基本法は食料自給率向上目標を定めると規定しているが、これは、政府が提案した法案にはなく、国会修正で盛り込まれた経過が示すように、政府は 一貫して「自給率向上目標」に消極的であった。今度は新基本法から「自給率向上目標」を消し去ることを狙っているのかといわざるをえない。

(4)これで「食料安全保障」は実現できるのか
「中間とりまとめ」は「食料安全保障」を実現する手段として@物流の改善やフードバンクなどのボランティアによる「食品アクセス」の実現、A友好国からの輸入安定と 海外備蓄、B農業の輸出産業化、Cあくまで市場原理にもとづく「適正な価格形成を実現する仕組みづくり」をあげている。しかし、これらは技術的・表層的な解決策にとどまったり、 輸入途絶の時代に逆行しており「食料安全保障」を矮(わい)小化するものにすぎない。 国内増産と食料自給率向上を抜きにした「食料安全保障」はありえない。「食料安全保障」 (食料の供給保障)のためには、@生活困窮者を含むすべての国民が、いついかなる時でも安全で栄養豊かな食を得られる経済的・社会的権利を保障すること、A価格転嫁に とどまらず、価格保障と直接所得補償(直接支払い)を再建・充実して食料増産を確実なものにするための農民の権利を保障すること、Bそのためにアグロエコロジーと食料主権 にもとづく農業政策への転換が重要である。

(5)食料有事立法は「検討」
食料の有事立法について、さすがに「中間とりまとめ」では具体的に内容を明記できず、「不測時に政府全体の意思決定を行う体制のあり方」や「食料の確保・配分 に必要な制約を伴う義務的措置の必要性」を今後検討するとした。 しかし野村農相は記者会見で「基本法見直しの最大のポイントは不測事態だ。法律を制定することが必要だ」 と公言している。安保3文書で突破をはかる岸田政権が突如「食料有事立法」の暴走を始める危険性は残っている。食料有事立法は有害で不必要であり、検討の中止を要求する。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年5月号より抜粋

田植え始まる!

今月13日、組合員の田んぼで早朝から田植え機がエンジンを響かせ、「密苗」方式で育苗された「ゆめぴりか」の田植えが行われたそうです。
また、今年も各地区で産直運動の維持、拡大に努力してくださっていることに感謝していますとのお便りをいただきました。

酪農家 離農加速!〜減少率28年ぶり4%超〜

飼料高騰 耐えきれず

道内で酪農家の離農が増えている。道が1日に発表した2023年の生乳出荷戸数(2月1日時点)は、前年比222戸(4.4%)減の4822戸で初めて5千戸を割り、減少率は1995年以来28年ぶりの大きさだった。ロシアのウクライナ侵攻などによる飼料の高騰が影響しており、離農に追い込まれた農家は無念さをにじませる。生産コストが下がる兆しはなく、今後、離農に歯止めがかかるかは見通せない状況だ。

「えさが値上がりし、子牛も高く売れなくなった。酪農家の経営環境は、かなり厳しくなっている」。道によると、酪農家(生乳を出荷する農家)の戸数は90年代初めは1万2千戸だったが、その後の需要落ち込みによる生産抑制などで大きく減った。

後継者不足も深刻化し、10年代半ばには5千〜6千戸台に。ここ数年は2〜3%ずつ減っていたが、23年は減少率が4%を超え、離農のペースが加速した。ホクレンによると、22年度の生乳生産量は前年度比2・3%減の404万300トンと、6年ぶりに減少に転じた。

背景にあるのが、生産コストの急上昇だ。ウクライ危機や円安で牛に与える配合飼料が3年前の1・5倍に高騰。電気代も値上がしている。中央酪農会議(東京)が全国の酪農家157人を対象に行った調査では、58%が離農を検討していると回答した。

今年4月3日には、酪農が盛んな根室管内中標津町のホクレン根室地区家畜市場で、離農した酪農家の牛を扱う臨時市場が開かれ、9戸の計326頭が売りに出された。同町でのこうした市場は異例という。

昨年度に離農を決断したのは、小規模な酪農家が多いとみられる。飼料高などは大規模な酪農家ほど打撃が大きいが、増頭や設備増強に多額の資金を投資しており「借入金を返済しなければならず、やめられない」(十勝管内の法人経営者)という事情もある。 ホクレンは今年8月から、生乳を乳業メーカーに販売する際の飲用乳向け乳価を1キロ当たり10円引き上げる。バターなど加工向けの値上げ協議も続ける。

ブロッコリーは国産化達成!〜昨年の出荷量、北海道がトップ〜

【青果】輸入の動き

最近の調査で、過去10年間で生産面積が一番増えた野菜は、コマツナに並んで25%伸びたブロッコリーだと分かった。2000年に9万トンもあった輸入が22年は2028トンまで減り「ブロッコリーは国産化達成」と宣言してもいい。 その動向を東京市場でみてみよう。直近1年間(22年4月~23年3月)と、10年前の同時期と比べると、数量が28%も増加して、単価も15%高くなっている。 大きく変わったのが産地構成だ。10年前には愛知21%、埼玉17%、北海道15%、米国15%だったが、直近1年は北海道18%、香川17%、熊本13%、愛知11%、輸入は米国と中国を合わせても2%である。平均単価が高くなったのは、安い輸入物が減ったこと主要因だ。 冬を中心とした愛知、埼玉が半減して順位を落とし、代わって夏場を中心とした北海道産がトップに、冬は香川、熊本、長崎など西の産地に移行した。 輸入が減って、そのマーケットを国内産地が奪う形になった。輸入大手のドールが、生産-供給拠点を米カリフォルニアから北海道ほか6産地で国内生産する方向に舵を切ったことがきっかけだ。
そのほか、稲作からの転換や冬場のレタス施設栽培産地を中心に、露地で寒さに強いブロッコリーに転作し、より寒い埼玉などより10アール当たり収量を上げたことも引き金になった。西日本から東日本に無理なく年間供給リレーでつながって、輸入品は足りない時の補てん役に回った。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年4月号より抜粋

春の学習交流会が終わりました!

学習会の様子をお知らせします。

「春の学習会」10会場 11地域で開催!

「日本の農業を守り、安全で安心な食料を」と消費者のみなさんと私たち生産者の協働で始めた産直運動は今年で33年目を迎えています。 「新婦人と農民連の産直運動の四つの共同目標」にある「お互いの顔と暮らしが見える交流を活発に」を目標に、10会場 11地域で学習交流会を開催しました。

各会場では、世界的に 「戦後最大の食料危機に直面している事、日 本では農畜産物の多くを外国に依存し、これまでの「お金を出せばいく らでも買える」ともいわれた時代は終わりを告げ、国内農業の増産が緊 急の課題になっている事、 食料の輸入だけでなく、種子、 飼料、 肥料 など食料生産の為の資材の多くを海外に依存し農業経営の存続の危 機と食料生産の脆弱性が浮き彫りになってきた事、食の安全性、農業の現状と将来についてなど、それぞれの立場から意見交換がなされま した。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年3月号より抜粋

価格は資材高騰の中でも現行通りで!

「日本の農業を守り、安全で安心な食べ物を」と消費者のみなさんと私たち生産者の協働で始めた産直運動は今年で33年を迎えました。

2月から全道各地の消費者のみなさんの街に出向き、産直「萌えぎ里米」への意見や感想を聞かせて頂いたり、農産物の多くを外国に依存している事や農業資材の高騰、食品の安全、 農業の現状などについて話し合う交流会を開催してきたそうです。

融雪が順調に進んでいます!

良品質で美味しいお米を生産する一つには圃場(ほじょう)をよく乾燥させることが必要です。融雪を促進させるためには融雪剤を散布します。散布時期と散布後の気象条件にもよりますが、5〜10日ほど融雪を早めることができます。

耕起前に水田土壌を乾燥させると栽培期間中に土壌から供給される窒素量が増加します。こうした現象を「乾土効果」と言い、窒素質肥料を減らすことができます。

水稲の初期生育を向上させ、良品質で美味しいお米の安定生産と産直「萌えぎ里」をこだわって生産し、安心・安全をみなさんに届けるお米づくりをスタートさせたいと思います。

大豆輸入額が最大〜22年、円安影響〜青果・肉も上昇

2022年の大豆の輸入額が過去最大となったことが、財務省の貿易統計で分かった。小麦も14年ぶりの高水準。現地の生産・輸送コストの増加や円安が要因となり、青果物や食肉を含め、輸入農畜産物は軒並み単価が上がっている。青果物や牛肉では高値による輸入減が見られたが、国産が国内シェアを奪還するには供給力が課題となっている。

国産供給力に課題

【穀物】

輸入価格の上昇が目立ったのは小麦と大豆だ。輸入量に大きな変動が見られない中で、輸入額は前年比でそれぞれ7割、5割増加。 新型コロナウイルス拡大前の2019年比ではともに2倍となった。

小麦は海外産の不作やウクライナ危機、円安が重なり、食料危機が叫ばれた2008年に次ぐ高水準。


大豆は世界的需要拡大もあり、統計のある1988年以降で最大の3391億円となった。国産の供給拡大を期待する声があるが、現状は増産が鈍く「高くても輸入を買わざるを得ない状況がある」(流通業者)。


【野菜】

輸入生鮮野菜の4割を占めるタマネギは、国産の不作と中国の供給停滞で4、5月は1kg当たり価格が前年の2倍に急騰した。秋以降も高止まりし、コロナ禍前の2019年比では7割高となった。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年2月号より抜粋

北空知も大雪です!

各地で大雪に見舞われていますが、北空知地方も1月末からの連日の降雪で久々の大雪になっています。今月の下旬には水稲の育苗ハウスの除雪作業にとりかかりますが、ハウスのパイプの半分以上の高さまで雪に埋まっており、今年は少々苦労しそうです。いよいよ今年の米作りが始まります。(生産者の方から))
さて、今月のお便りには、戦後の農政の変化について記述されていました。そのことが物価高騰や経営に困難さをもたらしていることを知りました。

農政の矛盾が一気に噴き出した!
〜「規模拡大」「経営効率化」「農産物輸入の自由化」が食品の高騰に〜

規模拡大が進められる養鶏場

卵の卸値も1.8倍(過去5ヵ年平均比)になっている。トウモロコシなど飼料の輸入原料の値上がりに加えて、昨年秋以降、相次ぐ鳥インフルエンザの発生が要因。
鳥インフルエンザ発生による処分数は、先月、1千万羽を超え、過去最高に。100万羽以上飼養している養鶏場が何か所も感染確認されている。

40数年前、「万羽経営」と言って、1戸当たり1万羽以上の飼育へと規模拡大が進められていたが、それが今では100万羽を超える巨大養鶏場がいくつも。そういう規模の養鶏場でいくつか発生すれば需給に影響するのも当然。

飼養頭数が数百頭に!

酪農も飼料の高騰などにより、まさしく「存亡の危機」。酪農においても40年前は1戸の飼養頭数は数十から百頭程度だったが、今では数百頭に拡大。一頭当たりの搾乳量も2倍近くに。牛の改良が進められたのもあるが、飼養管理の面でも配合飼料の活用が進められた。当然、牧草やサイレージも必要だが、このように大規模になれば自給するのは困難。これまで酪農家の努力もあって安い牛乳を維持してきたが、それが困難になっている。

規模拡大、経営の効率化を求められる米農家!

水田を中心とした農業でも、数ha規模が平均だった北海道で、今では数十haが当たり前になっている。私たちも「規模拡大、経営の効率化」を求められる中、例えば、化成肥料への依存を深めたと言ってもいい。資材の高騰と生産した農産物価格の低迷で今年の営農計画は困難を極めている。

「規模拡大」「経営効率化」それに加えて「農産物輸入の自由化」の推進の戦後農政の矛盾が一気に噴き出した形だ。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2023年1月号より抜粋

今年も宜しくお願いします!

穏やかな天気の中、新年を迎えた北空知地方。ほぼ平年並みの積雪となっていますが、全国各地大雪被害の出ている状況です。 気象変動に翻弄される農業ですが、 みなさんにおいしいお米を届けようと準備を始めています。(生産者の方から))

国内増産支える政治に!

食料品価格が軒並み高騰して国民生活を圧迫すると同時に、 農業では生産資材の急騰により農業経営の困難を一層深刻なものにしてい ます。 食料の6割以上を海外に依存する日本の食料政策の危うさがあらわに なっています。

国内農業が生産資材の大半を海外に依存しており、極めて脆弱な事も浮 き彫りになりました。 国際価格の変動に直撃され、肥料、飼料は2年前の1.5倍 に高騰し、安定的な確保さえおぼつかない状態です。

農産物の販売価格はコ ロナ禍などで低迷、 農業の経営条件は悪化するばかりです。とりわけ、酪農 は牛乳を「搾れば搾るほど赤字」 という悲惨な状況に追い込まれています。

岸田政権は作夏以降、いくつかの資材高騰対策を打ち出しましたが、 一方で、 77万tの米輸入や13万tもの乳製品輸入をしながら米、生乳の減産を農家に押し付けています。

武器は命を奪いますが、食料はいのちを守ります。 「国民のいのちを守る」というのなら食料と農業を守り、国内の食料増産を支える政治こそ必要です。

通信に「窮地に立つ農・食・命」の記事が載っていました。興味深い内容でしたので紹介します。

国産推進切り替えて!

日本の食料自給率は、種や肥料の自給率の低さも考慮すると、38%どころか10%あるかないかで、貿易が停止したら世界で最も餓死者が集中する国が日本だと米国の大学も試算している。

今こそ、国内農業生産を増強しないといけないのに、逆に、国内農業は生産コスト倍増でも農産物の価格が上がらず、米も生乳も減産が要請され、この3月までに廃業が激増しかねない危機にひんしている。

国の政治が、「今だけ、金だけ、自分だけ」の日米のオトモダチ企業に取り込まれ、農家や国民を収奪しかねない構造を打破するには、農協、生協、労組などの協同組合、共同体的な力が奮起する必要がある。

「防衛費5年で43兆円」プラス「敵基地攻撃能力強化」の一方で「農業消滅」を進めてしまったら、「兵糧攻め」で日本人の餓死は本当に現実味を帯びる。農業の壊滅は関連産業や農協の終焉(しゅうえん)も意味する。

今日から消費者も安くてもリスクのある輸入食品から国産に切り替えよう。地域のいい種を守り、生産から消費まで循環的に農と食を支えるネットワークづくりを学校給食における地場産の公共調達を核に進めよう。     

お金を出せば食料を輸入できる時代は終わった。不測の事態に国民の命を守るのが「国防」なら農業を守ることこそが安全保障。食料にこそ数兆円の予算を早急に付けられるよう、「地城のタネからつくる循環型食料自給(ローカルフード)法」や「食料安全保障推進法」の成立に期待したい。

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