『食の安全』過去の記事

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北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年12月号より抜粋

生産者の方からこの一年間のご利用に対し、感謝のお言葉が届いていました。
12月は、一年間の経営結果をまとめ、来年の計画を立てているとのことです。肥料、燃料など生産資材の高騰、一方では農産物価格の低迷、各種交付金の見直し(削減)で厳しい農業経営を強いられています。私たちの応援が何よりの力であるとお話していました。

輸入農産物の値上がり!だから、食糧の自給率引き上げを!

食品の値上がりは原材料の輸入農産物の値上がりが要因の一つでであることから、あらためて食糧の自給率引き上げを求める声が大きくなった一年でした。 畑作物と同じように酪農も乳製品の在庫が増えているとして、輸入は減らさず、国内の生乳の生産を減らす方針を進めています。

適正在庫数量を大きく超えているとして32万t減らす

米は適正在庫数量を大きく超えているとして昨年、「生産量の目安」を32万t減らしました。それでも米価は大きく値下がりし、生産者に支払われる概算金は1万円を切る県もありました。(北海道はななつぼしなどで1万1千円前後)。

一方で、輸入米 (MA米)は毎年77万tを続ける!

その一方で、1995年にWTO協定合意の際の約束として始まったミニマムアクセスによる輸入米 (MA米)は1999年以降、毎年77万tの輸入を続けています。このMA米の半分を占めるアメリカ産は、主産地のカリフォルニアがここ2~3年、干ばつの影響で生産量が減少し、価格は19年産比で1.5倍に暴騰し、値下がりしている国産米との価格差がなくなり、主食用にも加工用にも需要が減少し、その量は10万t程度になっています。

売買差損は年間500億円以上を税金で賄っている!

その結果、MA米の8割以上を飼料用として販売。今年9月のMA米落札価格は12万円/t。飼料用米の販売価格は2万円/ t。差額はトン当たり10万円、この売買差損は年間500億円以上になる計算です。これまで、価格変動によって年により差がありますが、この売買差損に管理経費を加えると毎年300~500億円の赤字を生み、それを税金で賄っているのです。政府はMAを「義務」と言っていますが、「輸入機会を与える」というのが国際的な常識。日本の農業と食を守るため、加えて、税金の無駄遣いを無くす為にMA米をやめ食料自給率を上げる農政に転換させなければなりません。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年11月号より抜粋

北空知では、米の出荷を終え、農機具の整備、格納、心土破砕、排水路の整備など積雪期前の作業を進めているそうです。

※心土破砕(しんどはさい)とは・・・農地に一定の間隔で、なたのような作業機械を使い、60cm程度の深さまで亀裂が入るよう切り込みを入れ、水が通る道をつけていくもの。
農地にたまる水を速やかに排出することを目的とする。

産直米の食味分析行う
〜数年の中でも最も良い結果でした〜

先月末、農協の施設を借りて、産直センターに出荷された産直米の抽出サンプルの品質食味分析を行いました。出荷時の等級検査で全量1等になりました。

更に詳しく調べたところ、品質については、一部に白い粒になってしまう腹白が見られたものの、黒い斑点のつく着色粒は極めて少なく、昨年多かった胴割れも多くはなく、良好な結果でした。 食味につい ても、低い方がおいしいとされるタンパクはほとんどが6.8以下(ゆめぴりかの基準米は7.4以下)で、低い傾向にあったここ数年の中でも最も良い結果でした。

本気で食料自給率の引き上げを!
ビートの作付指標が引き下げられることに

このほど農水省はビートの作付指標を引き下げる事を発表しました。近年、砂糖の需要が減っているから作付を減らせというのです。砂糖の自給率はおよそ4割、そのうち北海道で生産されるビート糖 が8割を占めます。

ビートは、麦、豆類、じゃがいもなどと組み合わされる畑作物の輪作のひとつとして重要な作物です。

また、ビートの収穫の際に切り落とされる葉は土壌に還元され、翌年につくられる作物の栄養となります。化学肥料をその分減らすことができるのです。

需要が減っているなら輸入量を減らすべき。

小麦は、国際相場の上昇に伴い、来年産の国産小麦の価格も持ち直し始めましたが、外国との生産条件の差をうめ合わせる交付金をその分引き下げる方針が発表されています。

政府は「食料の安全保障」と口にしますが、食料自給率を本気で引き上げるつもりはないらしい。日本の農業は高齢化に資材高騰が追い打ちをかけ危機的な状況です。

軍事費を2倍以上に引き上げるために国民の食を支える農業も暮らしを守る福祉も「理屈」をつけて切り捨てる、その一方で巨大プロジェクトは支援するというアベコベの政治が日本の政治の現状では。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年10月号より抜粋

遠く東に眺める旭岳が真っ白になり、西の暑寒の山並みも上から白くなっていますというお便りが届きました。

ややシラタ(白く濁った粒)や青未熟の多いものもありますが、食味は良いそうです。

稔りの秋

平年並にスタートした今年の収穫作業ですか、周期的にくるも雨も間隔がながく圃場もほどよく乾いていたため、順調に進み、最終盤を迎えています。

今年の作柄については、6月後半から7月にかけて、成育が停滞する時期もあり、収穫前には、茎数不足による収量の減少も心配されていましたが、盆明け以降も比較的高温の日が続いたことからもちなおし、人により、品種により、バラッキはありますか、ほぼ平年並の収穫量となっています。

昨年・一昨年と2年連続で107を超える「豊作」だったため期待も大きかったのですこし「期待」はずれの感もありますが、品質面では、青味熟米も少なく、食味に影響するタンパク値も低い傾向にあり ます。

店頭でも新米も売られ始め、価格は昨年より少し値上がりの様子ですが、農家が手にする米の価格は依然として安く、肥料などの生産資材の相次ぐ値上りで「来年からの営農大変」と、心から喜べる「でき秋」とはいえません。

そんななかですが、ともあれ、豊穣の秋を迎えることができました。

22年産米収穫4.3%減〜国示す適正量達成〜

農水省は1日、2022年産米の9月25日現在の作付面積と予想収穫量を発表した。

主食用米の予想収穫量は前年実績比30万40t(4.3%)減の670万3000dで、需給均衡へ国が示す適正生産量を4万70t(0.7%)下回った。作付面積は同5万2000t(4%)減の125万1000haで、全国の作況指数は100となった。

今後の需要の動向や、23年産で必要な転換面積が焦点となる。

(日本農業新聞より)

※コメの収穫量は年々減らされている現状を深く受け止めなければなりませんね。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年9月号より抜粋

新米の季節になりました。もう、地方でも稲刈りが始まり、重たく実った稲穂の収穫時期を迎えています。来月には美味しいお米が届きます。

さて、厳しい農業事情や値上げの加速について具体的な数値の書かれたお便りがきていますので、要約して紹介します。

資材価格の上昇加速
〜7月農業物価指数肥料前年比36%高〜

農水省は30日、生産資材や農産物の価格変動を表す7月の農業物価指数を公表した。2020年を100とした指数で、肥料は前年同月36・5%、前月を10・5%上回る141.8となった。飼料も前年同月20.3%、前月10.5%上回る146。円安や世界的な資源・穀物高で高騰が止まらない。

一方、7月の農産物価格指数は、98.6だった。前月より0.4%、前年同月より1.2%下がり、資材の高騰分を価格に適切に反映できない状況も続く。

値上げ加速の秋 〜食品8000品目〜

帝国データバンクの調査によると、食品の値上げは8月に2431品目にのぼり、2022年1月以降、単月で初めて2000品目を超えた。9月以降の値上げ予定は8043品目(うち9月1661品目、10月6305品目)に達する。

値上げ幅も拡大している。6月以前が平均10%程度だったのに対し、7月以降は平均15〜20%となっている。小麦・油脂・原油などの世界的な価格高騰に加え、円安を理由とする値上げが増えているため。

9月から、雪印メグミルクは家庭用マーガリンなど13品目を約6〜14%、家庭用プロセスチーズ7品目を約4〜9%値上げ。マルハニチロはツナなどの缶詰25品目を約5〜25%、ちくわなどの練り製品44品目を約5〜20%値上げ。

食品値上げは年内に2万品目を超え、平均値上げ率は14%となる見通し。帝国データは「年初に値上げを実施した食品類を中心として円安を理由とした再値上げ・再再値上げが秋以降に集中しており、全体の値上げ品目数を大幅に押し上げる要因となっている」と指摘。

食品以外の商品も値上げラッシュが続く。9月から、パナソニックはドライヤーなど一部家電製品の出荷価格を約2〜33%引き上げ。同社は8月から冷蔵庫など家電製品全般の値上げを始めている。ブリヂストンは4月に続いて今年2度目の値上げを行う。国内市販用タイヤやチューブを3〜8%値上げする。

米国で利上げが長期化して日米金利差が拡大するという見方から、円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場はおよそ1カ月半ぶりに一時1ドル=139円台に達した。円安による輸入物価の高騰が長期化し、国内物価への波及が今後も続く恐れがある。

生活必需品が全般的に値上がりしているのに、対策はガソリン補助金などの部分的な内容にとどまっている。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年8月号より抜粋

先月下旬から穂が出始め、開花、今月に入り穂が垂れ始めました。その穂の粒(籾)を指でつぶすと白いでんぷんの汁がでてきます。この時期を「乳熟期」と言います。この後、籾いっぱいにでん粉がたまり、次第に水気が抜けて固まりだし、籾は黄色く色づきだします。(黄塾期)。そして、来月中旬には稲刈りとなりそうです。

気温の高い日が続き、収量ともに期待が持てそう!

水稲の生育は、7月に入り気温の高い日が続き、冷害危険期も低温にあうことなく乗り切り、先月20日頃からそれぞれ出穂、開花となりました。8月7日には、3年ぶりに「現地交流会」を開催し、みなさんに稲の姿を確認してもらいたかったのですが、 全道的にコロナ感染の急拡大で止む無く中止の判断をしました。今月に入っても気温が高めに推移し、今のところ病気や害虫による被害もなさそうで、品質、収量ともに期待が持てそうです。 

作付面積約4万3千ha減少するとの見通し!
〜作付け転換の背景に米価下落に対する危機感が

農林水産省は7月27日、2022年産の主食用米の作付面積が前年実績比で約4万3千ha減少するとの見通しを発表しました。 需給安定の目安とした3万9千haを上回り、平年作であれば22年産米の生産量は 673万t、23年6月末の民間在庫量 適正水準とされる200万t以内となる見込みです。 作付転換が進んだ背景には米価下落に対する危機感があります。 生産者の努力が再生産可能な米価の実現という形で報われなければ、肥料など生産資材価格の高騰で疲弊する農家の生産意欲は更に低下し離農が増える恐れもあります。

水田活用交付金の見直しは中止すべき
〜再生産可能な価格の実現を

水田活用交付金の見直しは中止すべきです。 作付転換に努めた農業者の営農意欲が低下しないよう政府は万全を期す責務があります。 多くを輸入に依存する食料品価格の値上げが相次ぐ中で、水田を中心に国内農地を活用した国産農産物の生産振興を促すとともに再生産可能な価格を実現し、消費拡大策の実施も急務です。

食料自給率 横ばい38% 〜21年度、なお低水準〜

農林水産省は5日、2021年度のカロリーベースの食料自給率が前年度より 1%上昇し、38%だったと発表した。小麦や大豆の生産が拡大したほか、新型コ ロナウイルス禍で低迷していた外食需要の持ち直しで、自給率の高いコメの消費 がその分回復したことが寄与した。 過去最低水準だった前年度からわずかに改善 したものの、依然として低い水準にとどまった。(道新)

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年7月号より抜粋

「とんぼが羽化する時期になりました。田んぼの中ではオタマジャクシが泳ぎ、稲は7月の高温続きで順調に生育しています。20日頃から穂が出て開花し、麦の黄色、ソバの花の白、稲の緑と色鮮やかな時期です。」こんなお便りをいただきました。
また、厳しい農業事情についての情報がありましたので、紹介します。

農村の崩壊は日本の食糧生産の崩壊
〜この危機的状況に抜本的な対策を!〜

全農、ホクレンの価格対策や国の緊急支援で値上幅を抑えたとしていますが、それでも水稲用の化成肥料は前年比70%以上の値上がりです。来年用のビニール類も数%〜10%以上の値上がり。 燃料や他の資材も値上がり しており、経費の大幅上昇は避けられそうもありません。

一方で、農産物の価格は、その多く米穀業者や仲買業者、大手量販店などとの相対で決まり、品薄にならない限り、簡単には価格は上昇しません。

9割補てんされても1割(約300万円)は補てんされず!

米について言えば、昨年、価格が暴落し、販売収入減少分の9割までは経営安定対策や収入保険で補てんされますが、このような経費の増加分を補てんするものはありません。販売収入減少分の9割を補てんすると言っても、例えば、水稲中心の中堅農家で3000万円の販売収入があるとすると、1割、300万円は補填さ れないという事です。それだけでも大きいのに、これに経費の増加分が追い打ちをかけま す。 米価は、やや持ち直しの兆しが出てきているとの報道もありますが、 作況にもより、厳しい状況に大きな変化は望めません。

作り続ければ赤字を増やすだけなら
〜いっそう離農に拍車がかかる〜

65歳以上の農業者が半数以上を占める現状で、つくり続ければ赤字を増やすだけ、それならやめた方が、 という判断にもなりかねず、一層 離農に拍車がかかる恐れがあります。また、若い農業者も、借金をして規模を拡大したが、これでは土地代や機械代の支払(償還)ができないという状態です。 農村の崩壊、それは 日本の食糧生産の崩壊という危機的な状況が迫っています。
今回の参議院選で 多数を占めた政府与党ですが、得票率は自公併せても 46% (比 例)。 経済対策とともに、農業 食糧に対して、これまでの政策を見直し、 抜本的な対策 が早急に必要です。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年6月号より抜粋

5月中にほとんどの人が田植えを終了し、6月に入ってからの低温と曇天で一時、葉色が褪めましたが、天候の回復により苗が順調に生育しているそうです。しかし、物価の高騰が経営を直撃しているとのお便りが届きました。

厳しい経営

今年はいよいよ農業経営がかなり厳しくなりそうです。 燃料などの資材の大幅値上げ。 特に、肥料は 5~8割の値上げで 水稲 の場合、1袋(20kg)当たり1000円くらいの大幅値上げです。 しかし、お米の値 段は全く上がらず、販売収入は厳しい状態のままです。 それに加えて、 水田 に転作で畑作物を栽培することで交付される水田活用交付金は、 その水田 に5年に一度水稲を作付けしなければ交付を打ち切るという。 水田によっては、 粘土質の強いところでは簡単に畑地化することは難しいのに。
今は一番厳しい底辺にいると考え、これからはコロナも終息し、明るい未来 が待っていると信じ、とにかく、高品質で美味しいお米を作ろうと、今できる事 をがんばろうと思います。

資材高騰で経営直撃

肥料代は水稲の場合、生産費 の1割程度を占めますが、 品目によるが 仮に5~6割(1000円程度) 上がると増加分は 20ha作付の場 合 およそ70万円くらいになります。今年使う肥料のほとんどは前年の夏予約で調達しますから、今回の値上 げ発表は来年の分。ビニール類、 燃料の値上がりもあり、来年は大変 な状況です。
今、軍拡ではなく、暮らしや 食料の安定供給の為に予算を使って欲しいものです。

「日本農業新聞(6/2付け)より抜粋」の記事も掲載されていましたので、紹介します。
厳しい現状の中、少しでも経費が削減できるよう対策が考えられていました。

肥料78.5%上げ

ホクレンは1日、2022肥料年度(6月から翌5月)について、肥料価格を 21肥料年度比で平均78・5%値上げすると発表した。 肥料メーカーとの交渉や61億円の独自対策などで上昇幅を 大幅に圧縮したが、急騰した08肥料年度価格の上げ幅を上回った。一方、各種取り組みが奏功し、ホクレン扱い分の20キロ当たりの肥料価格は全国より1割ほど低い。

激変緩和対策で抑制へ

世界的な穀物価格の上昇や肥料原料を多く 輸出する中国やロシア からの供給停滞、円安 などが影響して肥料価 格が上昇。「原料の調達面も含め、非常に厳しい情勢」下で交渉を進めた結果、化学肥料主要11品目の加重平均で21肥料年度比102%を超える大幅な値上がりとなった。

ただ、ホクレンは61億円の「系統独自早期原料手配メリットおよび激変緩和対策」などを活用したり、各メーカーに製造費用の圧縮を要望したりして、上げ幅を78.5%まで抑えた。

ホクレンに先駆けてJA全農が公表した、22年の全国秋肥(55%増)より上げ幅は大きい。ただ、全農公表分は値上げした昨年11月からの「春肥」対比で55%増、ホクレンは都府県でいう昨年6月からの「秋肥」の時期と比べての78.5%と、時期が異なるために、単純比較できない。実質的な価格は、全国分より1割ほど低い状況となった。ホクレンの効果的な原料導入や、独自対策などに効果があったとみている。

輸入原料の安定調達には政府の「化学肥料原料調達支援緊急対策事業」も活用。製品の供給面では予約購買体制を強化し、また、同程度の成分量の化成肥料より価格が8%ほど安価な「BB肥料」の取り扱い拡大を推進する方針だ。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年5月号より抜粋

2022年5月号のお便りを紹介します。食料の高騰だけでなく、食料不足の危機が懸念されています。この問題から目が離せません。

食料の高騰と危機

1990年以来、食料価格指数最高値!

世界の食料価格が過去最高のペースで上昇しています。FAO (国連食料・農業機関は、2022年3月の食料価格指数は、 157.3ポイントで2月を17.9ポイント上回り「1990年の統計開始以来過去最高値 を更新する高騰を記録したと発表 しました。(食料価格指数は2014~16年平均を100として変化を指数化したもの)。

価格高騰に拍車をかけた原因

その背景にあるのは、@「異常」気象が「通常」気象になってしま った気象危機 、Aコロナ禍による生産、流通と 経済の混乱、B原油高に伴うバイオ燃料の急増、C 中国などの食料需要の想定以上の伸び、Dロシアのウクライ ナ侵略がさらに価格高騰に拍 車をかけました。

人類の5分の1が貧困や飢餓に追いやられる可能性が!

世界の食料供給が不安定さを増し、食料の争奪戦が激化 していると言われています。国連のグラーレス事務総長は次のように警告して います。 「(ウクライナ)危機により人類の5分の1を超える17億人もの人たち が貧困や 飢餓に追いやられる可能性がある」。また、別の関係者は「第2次世 界大戦以来最悪の食料危機に直面している」 と警告しました。

「水田活用交付金」のカットで食料減産と自給率低下に拍車!

こうした状況のもと日本の食料は、国産振興こそが不可欠なことは、誰の 目にも明らかですが、政府は「米を つくるな」というだけではなく、転作で麦、 大豆、ソバ、飼料作物などを作る支援として支出していた「水田活用交付金」をカットすることを決めました。

政府がやるべきこと

食料減産と自給率低下に拍車をかける ことになりかねません。 今、政府がやるべきことは、国内のあらゆる条件 をいかして食料増産に踏みだすことではないでしょうか。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年4月号より抜粋

2022年4月号のお便りを紹介します。

春の学習交流会が終了しました

?今年の春の学習交流会は、2月24日の釧路から始まり、3月29日の深川まで、多くの地域でたくさんの参加をいただきました。新型コロナの「まん延防止特別期間」の影響もあり、各地とも規模の制限を余儀なくされましたが、精力的に取り組んでいただき、事故もなく、無事終了させていただいたことに感謝しています。

各会場では、お米の評価や会員の動向をはじめ、米の下落、食料自給率の低下、農業の将来、企業的農業と家族農業のちがい等が話題となり意見交換がなされました。

特に「水田交付金の見直し」問題 については、農業者自身が「もっとアピールをしないとダメ」など たくさんの意見や励ましをいただき、有意義な交流となりま した。

今年のお米の取りあつかい品種や価格、流通、荷姿等については、ほぼ昨年と変りありませんが提案どおりとしたいと思 います。

ただ8月に予定している「夏の現地交流会」については、コロナの第7波の可能性もあり、もうすこし状況をみながら 最終的な判断をしたいと考えています。

春作業が本格化してきます。今年も、悪政にもコロ ナにもまけず、安全で「おいしい」といわれる米作り、がんばりたいと思います。

自給率の低い日本の農業に明るい光が当てられるかと思いましたが、そう簡単なことではないようです。この記事をご覧ください。

国産が追い風といわれていますが・・・

昨年から小麦の国際価格が上がりつづけ、国は小麦の売り渡し価格を昨年4月期 5.5%、 10月期 19%値上げし、 今年4月期も17.3% 値上げすることを決め、 1年間に5割近く 小麦価格が上がったことになります。

ロシアとウクライナは世界の小麦輸出の3割を占め、ロシアは経済制裁対策で小麦の輸出を 制限することを決めたことなどで、 小麦の国際価格がさらに値上がりする様相です。

次の10 月期小麦売り渡し価格が、さらに上がることが懸念されています。 このような不安定な状況から国産小麦をもとめる声がひろがり、 国産に追い風と言われます が、国産小麦を増やすことは容易ではありません。

9月に種をまいた秋小麦の収穫は翌年の8月上旬、4月に種をまいた春小麦の収穫は8月中 旬ですが、農家は他の作物との兼ね合いで計画的に1~2年前から小麦をつくる場所を決めて います。

急に小麦だけ増やすことはなかなかできません。 いまの農家の小麦収入の7割は国の交付金(補助金) ですが、 小麦生産を増やすためには交付 金(補助金) を大幅に増やすことが必要です。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年3月号より

育苗ハウスのビニールかけを終え、来月中旬から籾播きが始まるそうです。
2022年3月号のお便りを紹介します。

産直運動は今年で32年を迎えました

「日本の農業を守り、安全で安心な食べ物を」 と消費者のみなさんと私たち生産者の協働で 始めた産直運動は今年で32年を迎えました。

農産物輸入や食品の安全、農業の現状などについて交流会をもつ

今年も新型コロナウィルスの感染がなかなか収まらない中でしたが、感染拡大防止策を講じながら人数を制限した中で、2月から全道各地の消費者のみなさんの街に出向き、 産直「萌え 里米」への意見や感想を聞かせて頂いたり、農産物輸入や食品の安全、農業の現状などにつ いて話し合う交流会を例年より少ないながら、 開催して頂きました。

こだわりの米作り

私たちの米は低化学肥料、低農薬(農薬の使用を慣行栽培の半分以下に減らした減農薬栽培) など、こだわって米作りをしています。

産直「萌えぎ里米」は、少々高くても安心して食べら れ、「本当に美味しいですね」などとみなさんからお褒めの言葉を頂き、大変勇気づけられて います。

品質の維持向上を図って

取り扱い品種は良食味米を中心に北海道で主につくられている6品種とし、この30 年余りの中で 貯蔵庫の定温化、 色彩選別機の導入など設備も充実し品質の維持、向上を図ると共に、日本の農業と食を守る運動として発展させていきます。

21年産米 食味ランキングで 特Aを獲得!

日本穀物検定協会が 2日に発表した2021年産の米の食味ラン キングで、北海道は 「ななつぼし」「ゆめ ぴりか」「ふっくりんこ」の3品種が最高位の特Aを獲得しました。

全国的に特Aが大幅に減る中、「なな つぼし」が12年連続、「ゆめぴりか」は11 年、「ふっくりんこ」は3年連続獲得。全国でも有数の評価となり、ホクレンは「農家の努力だ」(主食課)と指摘しています。

北空知農民組合の会報「食ふれai」2022年2月号より

昨年12月の空知農民組合の会報「食ふれai」に「小学校にゲノム編集トマトが?!」(北海道農民連ニュース)という記事が載っていました。学校給食も決して安心できないということです。今回は、2022年2月号のお便りを紹介します。

「昨年116兆円」

1月のある新聞の国際面の記事である。アメリカの資産10億ドル以上の大富豪750人の昨年の1年間に増えた資産の総額で、その増加率は25%。大富豪の上位には、IT産業、自動車産業の経営幹部の名が並んでいる。
また、それらの大企業自体も、「過去最高益を記録」という記事も昨年末から続いていた。

日本でも大企業の「過去最高益」「内部留保拡大」という報道があった。 一方で「コロナ」が3年目に入り、職を失ったり、休業を迫られる人たちが多数出ている。そこに、燃料、食品の値上がりが追い打ちをかけている。格差が一層ひどくなっている。

しかし、大企業がため込んだ内部留保の一部を使うだけで、例えば月額2万5千円の賃上げ、最低賃金1500円への引き上げ、非正規労働者の正規化ができるようになるという。

中小の下請け企業に対しての支払いを引き上げることも大事である。そうしてこそ「経済の好循環」が生まれるのではないかと思う。

賃金の引き上げは、国産農産物がまともな値段で流通されるためにも必要なこと。春闘 真っ最中、がんばってほしい。〜以下略。

生産者の方の声〜お仕事情報

全道各地、大雪で大変な状況ですが、北空知はほぼ平年並みとなっています。米価下落、他の作物への転換が迫られる中、「米余り」には実効のある対策を取らず、転作に係わる交付金の見直し 〜「農業切り捨て政治」というのが実態〜 輸入農産物を原料とする食品の値上がりが続き、国産を強化しなければならないのに。そんな中ですが、今月末には稲の苗を育てるビニールハウスの除雪、ビニールかけが始まります。

知っておきたい食事情(2022年1月22日付新婦人しんぶんより)

新婦人しんぶんに今日の「知っておきたい食事情」について載っていましたので、まとめてみました。

食料の3分の1が廃棄

昨年(2021年)、世界食料フォーラムは「世界の食料システムは壊れている」と断言。約79億人に十分な食料が生産 されているのに、世界人口の約10% 約8億人が栄養不足に陥る一方、過体重で 疾患が増え、食料の3分の 1が廃棄されています。

政府の「緑の食料システム戦略」とは 〜実はゲノム編集や遺伝子組み換え、農薬の開発、農民不在の農機開発

政府は「緑の食料システム戦略」2050年目標を発表し、農薬50%削減、化学肥料30%削減、有機農業面積 25%へ、CO2ゼロ化を掲 げました。一見良さそうですが、中身はゲノム編集や遺伝子組み換えなど、バイ オテクノロジーを駆使したスーパー品種やRNA農薬 の開発、AI(人工知能) を駆使した無人操舵農機など、農民不在の企業型農業水田除草機を操縦で、引き続き企業が食料システムを握るものです。

農民が主体の持続可能な農業 ( アグロエコロジー)へ

国連は、これまでの生態系を破壊する経済的営みの一切を見直す方向転換が必要だとし、農民が主体となって 生態系の力を活用した持続可能な農業 ( アグロエコロジー) を呼びかけています。 国内の農家はこの5年間で基幹的農業従事者(年間を通じ主に農業に従事)が22.5%減少し、米農家のほとんどが「いつやめるか。誰に農地を預けようか」と、まさに瀕死状態にあります。

社会変革の力は学校給食に地元産の有機食材・産直運動がカギ!

ある研究者は壊れた食料システムを持続可能で公正なものにするために、学校給食など公共調達に地元産 の有機食材を取り入れる取り組みが大事と指摘します。農と食に対する幅の広い良い波及効果をもたらし、そのことが社会を変革する力になります。学校給食や、私たちが広げる産直運動に、その道筋を切り開くカギがあるのです。 (千葉県農民連副会長 小倉 毅)

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